HUIT (北大IT研究会)ってどんなところ? 後編

今回から始まる特集「北海道テックコミュニティ特集」。特集記事を組むことになった経緯などについてはこちらの記事をご覧ください。

第1弾は、北海道大学の学生を中心に活動している HUIT こと北大IT研究会さんの話を伺いました。北大IT研究会という名前ですが、代表の方は北海道学園大学の大学生という間口の広いコミュニティ。参加している学生エンジニアの技術スタックも幅広く今回の取材では、ハードウェアからフロントエンドまでと幅広いお話を聞かせていただきました。

取材があまりにも長丁場になったので、前編・後編と2回に分けてインタビューを公開させていただきます!こちらの記事は前編になっております。

ayumin – 北海学園大学 工学部 3年生

インフラ・バックエンドに興味があり、大規模なアプリケーションを作りたいと思っています。セキュリティキャンプ / SecHack365 に興味があって、SecHack365 に現在参加中です。


takapiro – 北海道大学 工学部 4年生

技術的なことが高校生から好きで、電子工作やプログラミングにもともと興味をもっていました。大学生になってからコミュニティやサークルを探して HUIT に参加。

広く・浅くいろいろやってます。


IMD – 北海道大学 工学部 2年生

一度就職して、もう一度、大学生として勉強しています。

2020年11月ごろに takapiro さんに誘われてHUITに参加しました。

電子工作・ハードウェアがメインで Arduino や Raspberry Pi 、マイコンでの開発をしています。最近はお気に入りのマウスとキーボードを BLE化 する改造にチャレンジしようとしています。

前回の記事を見たいかたはこちらから!

今回の記事では、お三方に普段どういった開発をされているかの話を伺いました!

ー 専門領域や普段扱っている技術スタックはなんですか?

ayumin – GitHub: https://github.com/shoumoji

自分の専門領域は一応インフラです。勉強している技術のうち多くを占めてるのはインフラなんですが、最近は割と Web 系全般に興味があります。特に新しめの技術に興味を持っています。Web Assembly だったり、CDN の Edge Computing、HTTP3 QUIC というプロトコルといったパフォーマンスに関わる Web の周辺分野にも興味がありますね。あとは、コストを下げるためにどのようにクラウドを運用していくかも関心を持っています。
Web のパフォーマンスとコストの関係が自分の興味分野です。

― パフォーマンスやコストの話で行くと、通信量やデータの処理に関する話ですか?

ayumin ー 例えばですけど、データの通信量の話で行くと、スマートフォンは通信環境が良くなかったりするじゃないですか。REST API って無駄なデータが多いですよね。 GraphQL だとデータ量を削減できるから勉強してみようと思ったりとか。
あとは Lambda とかだとミリ秒単位で課金されます。少しでも早く動くプログラムを書くとかかる費用が安く済みます。処理速度が上がれば上がるほど安くなります。

ー ayumin さんから見て今この技術アツい!といったものはありますか?

ayumin ー 今激アツなのは、Web Assembly じゃないかなと思ってます。インフラサイドが Web Assembly の応用技術の WASI によって、より実行環境が便利になっていくんじゃないかと期待しています。CDN の Edge Computing で Web Assembly が動くので、今後は Web Assembly による API の高速化にも期待しています。
後は、Rust でフロントエンドがかけると嬉しいですね。Web Assembly によってフロントエンドが書けるようになるらしいです。
将来的にはこういった技術を活用したパフォーマンスチューニングをするような方向に進めればと思っています。


ー takapiro さんの専門領域や普段扱っている技術スタックはなんですか?

takapiro ー ものをつくるときには、使ってくれる人のことを考えてモチベーションを生み出しています。電子工作だったら動きがある、光る、とかの分野が好きです。ソフトウェアだとユーザーの目に触れるという意味で、フロントエンド、特に React を結構よく触っています。

takapiro ー この技術が好きというのは特にはないです。広く浅くその時その時で興味のある技術を触っている感じです。来年就職が決まったので、それにつながるものを触っていきたいと思っています。それがきっかけで、春休みにネットワークを勉強していました。せっかくなので HUIT 内で自分の勉強も含めて勉強会をしようかなと思っていました。ネットワークで TCP とか言われても実際わからないじゃないですか?オフラインだったらパソコンだったらネットワークのルーター機器だったりを持ち込んで実践できますが、今は出来ないです。

それを仮想環境上でネットワークのテストができるものを作ろうかなと思っています。Docker のコンテナ同士で仮想ネットワークを勉強する環境を作る。みんなで手を動かしながらやっていきたいなと思っています。

ー takapiroさんから見て今この技術アツい!といったものはありますか?

DNS / DNSSec、特に DNS Security は一部界隈では盛り上がっているみたいです。
SHARP の DNS エントリの書き換えがセキュリティの話でありましたね。
DNS の概念自体に脆弱性があるから破綻しているみたいな話があるらしいです。そこに興味があります。

ー IMD さんの専門領域や普段扱っている技術スタックはなんですか?

IMD ー昔の話になるんですが、マイニング用のグラフィックボードがあったじゃないですか。その当時 HDMI の端子にコンデンサ8個と抵抗8個をつけると映像出力ができるぞ!というのがあったんですよね。他にも映像出力端子をつけるところがあるじゃんとなり、最初 HDMI だけだったのを、他に端子をつけました。回路を解析しなきゃいけなくて、コネクタとその周りの部品もついていないので、 5画面出力できるようにポート増設しました。グラフィックボードのプリント基板は6層か8層の基板。表面にをテスター当てまくりながら、こことここが繋がっているのをメモしまくって、回路図と見比べながら作っていました。

HUIT の話とは関係ないですが、解析を頑張った話です。

IMD ー もう一つは別の話なんですが、これはどう見てもキーボードですよね。笑。

幅がガラケーと同じくらい、寸法で言うと40mm × 40mmのキーボードを作りました。

ー キーボードのスイッチは市販のよく見るスイッチですよね?

IMD ー 一般的なスイッチですね。 回路設計から制作しています。基板は発注しています。機能としてはキーマップをデバイス内部に6つ持てるようになっていてその切り替えスイッチもあります。電源回路と PICマイコンとBluetooth モジュールが主なパーツです。バッテリーは Micro USB で充電可能です。このサイズでスイッチの基板だけ変えればもっと使いやすいものになるかもしれないです。

内部の回路はこんな感じです。青い部分が Bluetooth のアンテナで裏にマイコンがあります。

ー 最後にテックコミュニティを探している大学生向けに何か一言あればお願いします!

ayumin ー HUIT として 勉強会を進めていきたい。発言をしてくれる人が増えてくれるととても嬉しいです!技術が大好きな人は大歓迎ですし、そういった人に入ってきてほしいです!

takapiro ー 技術系に興味があって、いろいろ情報共有だったり、自分がどんなことをやっているかをみんなで共有したりする感じで、繋がりの輪が広がっていく感じです。興味があれば遊びに来てください!

IMD ー 初心者とかも来ると思うんですけど、やりたいことをもってきてくれれば、先輩が助けると思うのでそれをもとにサークルとしても活性化するのかなと思っています!作りたいものがあると、技術がなくてもやりたいことがあればサークルとしては嬉しいところです。

takapiro ー 作りたいもの・やりたいことベースで来てくれると嬉しいです!

ayumin  ー できなくてもいいので技術が好きで、興味がある人に来てほしいです!

ー 参加を希望する大学生はどちらに連絡をすればよいですか?

ayumin  ー Twitter に DM を送っていただけると反応します!

ー お三方ありがとうございました!

今回取材させていただいたHUIT についての情報はこちら

HUIT – 北大IT研究会

北海道大学に所属するサークル。2017年に設立され、現在まで活動中。IT 系全般のコミュニティとして活動中。有志でハッカソンに参加したり、サークル内でLT会を開いたりなどの活動を行っている。
また、北海道大学以外の学生の参加も受けつけており、中には道外からの参加者もいる。

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